バーミンガム市響✖︎山田和樹✖︎樫本大進

サントリーホールで、

バーミンガム市響✖︎山田和樹✖︎樫本大進

舞台裏で少しお話しした関係者の知人は、「オーケストラにとってハネムーンみたいな企画でね」と。なるほど。山ちゃんと婚約したばかりで、日本へ、ハネムーンか。確かに熱々の演奏であった。

おなかいっぱい〜
むねいっぱい〜

久しぶりに客席でオーケストラを聞いて、わぁ、こんな感じなんだぁ、、と色々新鮮だった、、、、。新鮮すぎて、いろんなことを考えたり思ったり感じたりして、疲れてしまった笑、、、

まずもって、あれだけの人数の人が一緒に、ひとつの音楽を、息をのんで、聞くという状況が、異様に感じた。異様というか、特別というか、貴重というか。とにかく、贅沢だなと。楽章間の客席の咳払いも、想像よりすごくてビックリしてしまった。日本独特なのか?息を潜めて、緊張して集中して聞いている気がする。だから咳が出る。隣の初老の女性は、時々口に手を当てたり、両手をさすりながら、一音も逃すまいと、心を動かして聞いておられた。その感動が伝わってきて、わたしもドキドキした。コンサート前も、休憩中も、コンサートのあとも、とにかくものすごい熱気だった。すごいものを聞きにきている!聞いた!という心の動きがホール中の空気を動かしていた。すごい。舞台にいては感じられない空気だった。聴衆になるのも大切だなぁ。もっと聞きに行かねば。産後、夜、ひとりで出歩く、という状況が、本当になかなか簡単には持てずにいた。客席に座って、ただ、そこにいて、音楽を聞けるだなんて、、もう、なんて、贅沢なのでしょうか😭

音楽をすること。音楽に出会うこと。音楽を愛すること。舞台にいた一人一人、客席にいた一人一人に、それぞれの背景があり、物語があるのだなぁと感じた。

そして、音楽を奏でられる、ただただそれを堪能できる時間というのは、どれだけ贅沢で貴重なことなのかと改めて感じた。まず、平和でないと叶わない。衣食住が足りてないと叶わない。この世界にどれだけの人がそれを味わえているのだろう。

普段当たり前のように楽器を手にしているけれど、今日はいろいろなことを考え込んでしまった。

サントリーホールに着くまでに、地下鉄の駅で、まだ若いであろう路上生活者を2人も見て、何だかショックを受けた。。ホールに着く前には、高級ホテルでリッチな夕食を食べる人々が見えて、また何だか悶々といろいろ考えてしまった。社会の底が抜けてゆくのを日々感じる。

演奏や内容についての感想ではなくなってしまった😅ので、少し書こう。

ラフマニノフのクラリネットのソロのフレーズが今日の一番キュンとした瞬間…。
コンマスも私の好きな音色と空間のとりかただったなぁ。短いソロの時も、ふっと浮き上がるように、背景にとけ込まず、音の層を抜けるあの感じ…飛行機がふっと雲を抜けて、遊んでる感じ…テンションと時間の使い方。
樫本大進さんは、爆発しそうなパッションとテンションを音にダイレクトに変換するだけの馬力と胆力と集中力が抜きん出ていてすごかった。身体もすごく恵まれていて、羨ましい。山田和樹さんは、相変わらず、音が指の間から一音ももれず、地引網のようにピチピチした音の魚を一度に掬い上げたり、それをまた空中で踊らせたり、自由自在だった。どんどん進化しているなぁ。舞台裏で少し話せたけれど、さすがにお疲れの模様であった(^◇^;)

オーケストラは、一人一人が個のある人間!という感じがした。メンバーの名前を見ていたら、見覚えがある人がいて、記憶の引き出しを奥底から引っ張りだしたら、、、、やはり!ドイツで同門だった!モーリッツ!会って話したかったなぁ、、、、会えずに残念!

今日の言葉*

村上淳一郎さん(2019の音語りにて)

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