ありがとうございました。

先日のクァルテット・オチェアーノの演奏会は、
おかげさまで、たくさんのお客様に恵まれ、
盛況のうちに、無事に終了いたしました。

平日にも関わらず、そして、雨にも関わらず、
ご来場くださったみなさま、
本当にありがとうございました!

そして「行けないけど、応援しているよー」とメッセージを
くださった方や、気にしてくださった方々にも、心からの感謝。。
見守ってくださる方がいるというのは、本当にありがたい限り。

夭折したジャダンの軽やかな香しさ、
音の名匠ハイドンの精緻な音楽とユーモア、
シューベルトの静けさのなかのドラマ、
憂いと喜びが激しく交差するシューマンの煌めき。

4人の遺した作品それぞれに、
浮かび上がってくる音風景や独特の質感があり、
弾く度に、発見の連続でした。

ジャダンは、とてもいい曲だった、もっと聞きたい!…と
人気で、取り上げた甲斐がありました。
やはり、弾かれていない曲を掘り起こし演奏するというのも、
演奏家の大切な役割ですね。考古学のように、人類の歴史のなかで
土のなかに埋もれている遺跡はまだまだあるのだろうなぁ。
音楽って、発見されるだけでなく、演奏されてこそですからねぇ。
大昔の人の遺した遺産を、「今、ここ」にフレッシュに味わえるのは
音楽ならでは!今回ジャダンを発掘してくれた、我らがチェリスト
かけたさん、さすがっ。ありがとうございます。
かけたさんは、ジャダンの弦楽四重奏の楽譜全集を
買ったそうなので(!)、これは、いつか全曲演奏会を敢行か?!

シューベルトの断章は、短いながらも、やはり名曲ですね。
アンコールは、そのつづき(書きかけ)を、
書いてあるところまで演奏。こんな形でしか、おそらく
聞かれないであろう、幻の曲。これもなかなか好評でした。
「続きが聞いてみたい…気になる……」という感想もいただきました。
確かに。。。どなたか、補筆された方いらっしゃるのかな。

シューマンは、「4人とは思えなかった、
まるでオーケストラのような分厚い響きで驚いた!」という
感想も複数名いただきました。確かに作品のもつエネルギーは
大変なもので、ヘトヘトになりました。
(本番では、4楽章がとても速くなって皆で焦る。笑)
シューマンは弦楽四重奏を3曲のこしていますが、
第一回の演奏会では、第3番をとりあげたので、
残るはあと1曲となりました。こうなると、お次は2番??

曲の合間に、トークをはさみました。
伴野さんと、かけたさんという歩く音楽辞書(!)のような
お二人がいるので、大変心強かったです。
平社員の私も、楽器やガット弦などについて少しお話しました。
カメラでいうと、スチール/ナイロン弦は、オートフォーカスで、
ガット弦は、一眼レフでマニュアルで、音のピントを合わせる感じ。
その分、難しいですが、やはり音色や、弾いているときの感触は
たまりません。演奏会が終わり、モダン楽器+ナイロン弦に戻ってみると、
なんだか物足りず・・・。やはり、クセになる味わい。
バロック楽器とガット弦を勉強すると、モダンにも活きるなぁと
実感しました。行ったり来たりを、これからもしたいです☆
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そういえば、4人の写真を撮るのを忘れました^^;

それにしても、弦楽四重奏というのは
本当に手間ひまがかかるものです。。。
だからこそ、やり甲斐もある!
今回もかなりリハーサルをしましたが、
それでも、まだまだ深まる。。。。。。

その奥深い世界に、改めて惚れ込んでしまいました。
もっともっといろいろな曲を弾いてみたい!とウズウズしてしまいます。
濃厚で、豊かな世界。

そしてそれもこれも一緒に演奏してくれる仲間があってこそ。
プロで仕事をしていると、短時間で仕上げていかなくてはならず、
今回のように、じっくりと意見を交換したり、リハーサルができた
時間は、貴重で、宝物でした。
本当に感謝しかありません。。ありがとう。

音楽ってすばらしいなぁ。

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今日の言葉*

すべてのみえるものは、
みえないものにさわっている。
きこえるものは、
きこえないものにさわっている。
感じられるものは
感じられないものにさわっている。
おそらく、考えられるものは、
考えられないものにさわっているだろう。

ノヴァーリス